2017年11月05日
traserコラム 第2回 ~trigalightの安全性とH3/T25表記について~
前回の記事:
こんにちは!
ドラゴンフォース traser販売担当の鈴木です。
「traserコラム」第2回目です。
今回はtraserに使われているトリチウム自己発光システム「trigalight(トリガライト)」の安全性についてと、traserの文字盤に刻まれている「H3」と「T25」の表記についてお話したいと思います。

トリチウムと聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。
放射性物質? 危険なもの? 光るもの? 様々あると思います。
ちなみにドラゴンフォースの店長はTrijicon好きでトリチウムマニアでもあります(笑)
私も実は除染等業務従事者の資格を持ってたりします...(笑)
さて、本題に入る前に、まず夜光塗料の変遷のお話から始めたいと思います。
【夜光塗料と時計の関わり】

トリチウムは、夜光塗料として時計の文字盤に使用されたりもしています。
この夜光塗料は、「自己発光塗料」と「蓄光塗料」に大別されます。自己発光塗料は文字通り塗料自らが常に発光し続けるものです。蓄光塗料は太陽光や照明等の明かりを短時間で吸収・蓄積して一時的に発光するものです。トリチウムの塗料は前者の自己発光塗料に分類されます。
時計にトリチウムが使用される以前は、トリチウムより放射能が高い「ラジウム」が使用されていることもありました。特に1920年代、時計の文字盤に夜光塗料を塗るペインターとしてアメリカの工場で働いていた従業員達は、文字盤に筆入れをする際に筆先を尖らせるために唇や舌を使ったり、遊び感覚でラジウムを歯や爪に塗ったりしていたため、知らぬ間に幾度と無く内部被曝を起こしていました。
これが後に重大な健康被害を招くこととなり、1967年にはIAEA(国際原子力機関)が時計へのラジウム使用の禁止を命じましたが、ラジウムは第二次世界大戦中に軍用の腕時計の文字盤に多く使用され、生産された数は数百万個以上にも上りました。
放射能に対する知識が圧倒的に不足していた当時は、社会常識として微量のラジウムは健康によいとされていました。そのため、当時はラジウム水やラジウム入り歯磨き粉、ラジウム入りチョコレート等も売られていました。
もっと詳しく知りたい方は1987年公開の映画「ラジウム・シティ」を観てみて下さい。
時計へのラジウムの使用が禁止された後、ラジウムより放射能の低いトリチウムが使われようになり、その後に蓄光塗料であるN夜光・ルミノーバ(通称ルミノバ)が使用されていくようになりました。
【trigalight(トリガライト)について】

trigalightは、mb-microtec社が開発したGTLS(トリチウム・ガス・システムの総称)です。内壁が蓄光物質でコーティングされている真空のガラス管に純粋なトリチウムガスを密閉し、トリチウムガスが発するβ線が作用することで自己発光します。この発光の原理は、テレビのブラウン管と同じ原理です。
時計にトリチウムが使用され始めた頃、当初はラジウム同様に文字盤にトリチウムを直接塗布しており、それらの時計は米軍にディスポーザブル・ウォッチ(使い捨て時計)として納品されていました。
しかし1999年、米国防省が腕時計に関するMIL-SPEC(MIL仕様書)を改定した結果、トリチウム塗布タイプの時計は米軍への納品が認められなくなりました。
そこで、当時正規納品業者の1社だったStocker&Yale社(traserの前身)は、mb-microtec社のトリチウムガスシステムtrigalightを時計に利用できないかと考えました。こうして開発された時計は後に米国防省のMIL-SPECの試験に受かり、晴れて米軍に納品されることになりました。
traserはトリチウム自己発光時計の元祖なのです。
トリチウムガスは放射性物質の中でも、食品用ラップも通過出来ないほどエネルギーの低いβ線(最大0.0186MeV)を放射するため、人体への影響は非常に少ないとされています。
また、トリチウムの物理学的半減期は12.3年のため、その発光力は徐々に弱まっていきます。trigalightは10年の夜間視認性を保証していますが、半減期を過ぎて発光力が衰えたとしても、数十年間光り続けること自体は可能です。
trigalight搭載時計のメーカーによって、自己発光期間の表現が変わってくるのは、このためです。
↑trigalightの製造過程等
【H3 / T25 表記について】

H3は、トリチウムを表す三重水素の元素記号です。

T25は、ガラスの外側で計測した放射能の総量が25μCi(マイクロキュリー)以下である事を表していると同時に、時計へのトリチウムガス使用量が日本の法律で定められている925MBq(マイクロベクレル)以下である事を表しています。
国際標準化機構が定めるISO3157(夜光時計の国際規格)では、その放射能が一定数値を上回る場合、計時装置にその旨を記載する事が定められており、時計にトリチウムを用いた場合は文字盤に「T25」と記載されます。
日本でも放射性物質については様々な議論がされていて色々な見方もありますが、これだけは言えます...
traserの時計は安全です! (タフさ的な意味でも)
さて、いかがでしたでしょうか。
夜光塗料や時計の歴史を学ぶと、そこからtraserの良さや魅力も分かって頂けると思います。
ドラゴンフォースはtraser正規取扱店です。
通販の他にも、店頭限定価格でtraser製品を販売しております。
店頭では多数モデル展示しておりますので、是非お手に取ってご覧下さい!


ドラゴンフォース
traser販売担当: 鈴木
こんにちは!
ドラゴンフォース traser販売担当の鈴木です。
「traserコラム」第2回目です。
今回はtraserに使われているトリチウム自己発光システム「trigalight(トリガライト)」の安全性についてと、traserの文字盤に刻まれている「H3」と「T25」の表記についてお話したいと思います。

トリチウムと聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。
放射性物質? 危険なもの? 光るもの? 様々あると思います。
ちなみにドラゴンフォースの店長はTrijicon好きでトリチウムマニアでもあります(笑)
私も実は除染等業務従事者の資格を持ってたりします...(笑)
さて、本題に入る前に、まず夜光塗料の変遷のお話から始めたいと思います。
【夜光塗料と時計の関わり】

トリチウムは、夜光塗料として時計の文字盤に使用されたりもしています。
この夜光塗料は、「自己発光塗料」と「蓄光塗料」に大別されます。自己発光塗料は文字通り塗料自らが常に発光し続けるものです。蓄光塗料は太陽光や照明等の明かりを短時間で吸収・蓄積して一時的に発光するものです。トリチウムの塗料は前者の自己発光塗料に分類されます。
時計にトリチウムが使用される以前は、トリチウムより放射能が高い「ラジウム」が使用されていることもありました。特に1920年代、時計の文字盤に夜光塗料を塗るペインターとしてアメリカの工場で働いていた従業員達は、文字盤に筆入れをする際に筆先を尖らせるために唇や舌を使ったり、遊び感覚でラジウムを歯や爪に塗ったりしていたため、知らぬ間に幾度と無く内部被曝を起こしていました。
これが後に重大な健康被害を招くこととなり、1967年にはIAEA(国際原子力機関)が時計へのラジウム使用の禁止を命じましたが、ラジウムは第二次世界大戦中に軍用の腕時計の文字盤に多く使用され、生産された数は数百万個以上にも上りました。
放射能に対する知識が圧倒的に不足していた当時は、社会常識として微量のラジウムは健康によいとされていました。そのため、当時はラジウム水やラジウム入り歯磨き粉、ラジウム入りチョコレート等も売られていました。
もっと詳しく知りたい方は1987年公開の映画「ラジウム・シティ」を観てみて下さい。
時計へのラジウムの使用が禁止された後、ラジウムより放射能の低いトリチウムが使われようになり、その後に蓄光塗料であるN夜光・ルミノーバ(通称ルミノバ)が使用されていくようになりました。
【trigalight(トリガライト)について】

trigalightは、mb-microtec社が開発したGTLS(トリチウム・ガス・システムの総称)です。内壁が蓄光物質でコーティングされている真空のガラス管に純粋なトリチウムガスを密閉し、トリチウムガスが発するβ線が作用することで自己発光します。この発光の原理は、テレビのブラウン管と同じ原理です。
時計にトリチウムが使用され始めた頃、当初はラジウム同様に文字盤にトリチウムを直接塗布しており、それらの時計は米軍にディスポーザブル・ウォッチ(使い捨て時計)として納品されていました。
しかし1999年、米国防省が腕時計に関するMIL-SPEC(MIL仕様書)を改定した結果、トリチウム塗布タイプの時計は米軍への納品が認められなくなりました。
そこで、当時正規納品業者の1社だったStocker&Yale社(traserの前身)は、mb-microtec社のトリチウムガスシステムtrigalightを時計に利用できないかと考えました。こうして開発された時計は後に米国防省のMIL-SPECの試験に受かり、晴れて米軍に納品されることになりました。
traserはトリチウム自己発光時計の元祖なのです。
トリチウムガスは放射性物質の中でも、食品用ラップも通過出来ないほどエネルギーの低いβ線(最大0.0186MeV)を放射するため、人体への影響は非常に少ないとされています。
また、トリチウムの物理学的半減期は12.3年のため、その発光力は徐々に弱まっていきます。trigalightは10年の夜間視認性を保証していますが、半減期を過ぎて発光力が衰えたとしても、数十年間光り続けること自体は可能です。
trigalight搭載時計のメーカーによって、自己発光期間の表現が変わってくるのは、このためです。
↑trigalightの製造過程等
【H3 / T25 表記について】

H3は、トリチウムを表す三重水素の元素記号です。

T25は、ガラスの外側で計測した放射能の総量が25μCi(マイクロキュリー)以下である事を表していると同時に、時計へのトリチウムガス使用量が日本の法律で定められている925MBq(マイクロベクレル)以下である事を表しています。
国際標準化機構が定めるISO3157(夜光時計の国際規格)では、その放射能が一定数値を上回る場合、計時装置にその旨を記載する事が定められており、時計にトリチウムを用いた場合は文字盤に「T25」と記載されます。
日本でも放射性物質については様々な議論がされていて色々な見方もありますが、これだけは言えます...
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ドラゴンフォース
traser販売担当: 鈴木
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